お姫様の秘密 †入学編†
「どうしたもこうしたもない……!…えらい事になった……!」


それだけ答えると、小走りで部屋を出て行った。

「ねぇあなた!!どうしたんですか…!……ねぇ!!」


もう廊下からは、父の声は聞こえなくなった。

はぁはぁと息を切らす母。

その時、目の前にはらりと、父の読んでいた新聞が舞落ちた。

その中の記事を見て、俺の体に冷たい感覚が走った。

「母さん…これ」

「え?」

そこに書かれていた記事は、



『(株)永井出版、社員自殺』


< 6 / 108 >

この作品をシェア

pagetop