お姫様の秘密 †入学編†
まー凄まじかった。


あんな母さんは初めて見た。

左頬を殴られた父はよろけ、がくん、と沈んだ。

その後は、もう言わなくても分かってしまうだろう。


もー投げるわ投げるわ。

フライパンだ

時計だ

携帯だなんだと。


俺は巻き込まれたくない一心で、部屋に避難した。

結局その日は、屋根裏部屋でこっそりと女友達にメールで連絡し、窓から脱出し、その子の家に泊めてもらった。

その日、初めて女の子を抱いた。

悲しかった。

そして虚しかった。

彼女の隣で寝ていても、
心は穏やかになんかなるハズもなく。

ただ、涙でいっぱいに染まった。
< 9 / 108 >

この作品をシェア

pagetop