ご主人様の仰せの通り!【短編】
屋敷には全部3つキッチンがある
三ツ星レストランのシェフがいる中央キッチン
スイートとか、食後のデザートを作る右キッチン
そして、悠様の執事である真部さんが使う左キッチン
司様の午後のお菓子はいっつも左キッチンからもらってくる
真部さんは司様の好みがよくわかっておりますから
「真部さ~ん、これ嫌いって言ってました~」
「そうでしたっけ?最近までそのチョコパイが一番好きでいらっしゃったのに…また、好きなものが変わったんでしょうか?」
てか、あいつコロコロ嫌いなものとか好きなものとか変えすぎだし
昨日まで普通に食べてたものや読んでた雑誌とか、次の日になったらすぐに嫌いになる
どういう神経じゃゴラァ!!
「しょうがないですね…はぁ…」
溜息をつき、真部さんは棚や冷蔵庫からいろんな材料を出した
「何するんですか?」
「たまにあるんですよ。そんなときは、私のお手製のホットケーキを食べさせるのが一番です」
さすが、真部さん。あいつの扱いには慣れてる
でも、このチョコパイはどうしよう…
「捨てるのも勿体無いので、どうぞ桜子さん召し上がってください」
「いいんですか!?」
わぁーい!