ご主人様の仰せの通り!【短編】
司様の大きな手が私の頭に上にのった
「怖かっただろう?あんな奴らに連れて行かれそうになって…」
なんだろう…
その言葉で私は一気に目頭が熱くなった
本当は…すっごく怖かった…
どうなるかと思った
「お前…泣いてるのか?」
い、いけない!!
司様に気付かれないように、涙を袖で拭いた
「いえ、泣いてません」
「泣いてただろ」
「泣いてません!!」
「絶対、泣いてた!!」
「泣いてません!!」
子供の喧嘩のように口論する私たち
しつこいなぁ、泣いてなんかいないって言ってるのに…
こういうとこは子供なんですね
でも、助けに来てくれたことにはとっても感謝しています
私との口論に負けて拗ねている司様の背中に向かって小さく
『ありがとう』
と呟いた