ご主人様の仰せの通り!【短編】
私は毎日毎日、そいつらの面倒を見ていて、勉強も恋愛もろくにしてません
もういい年なのに初恋もまだってどういうこと!?
勉強面はまだいい
だけど、一度も恋愛しない青春時代を過ごすなんて絶対嫌!!
けれども…
「桜ねぇちゃん、早く!!」
「お腹すいたーー」
この猛獣たちは私がしっかり育ててあげなきゃ、ろくな人間にはならないと思って私は必死に我慢している
けなげな私…
まるでシンデレラのよう…
でも、シンデレラの世界には魔法使いさんがいるもんね、私の世界にはいないもんね
だから、王子様もいるわけないのよ
そう思いながら、今日も普通の一日が過ぎると思っていたけど…
バンッ
いきなり家のドアが開いた
オンボロアパートの2階だから、すぐに音が聞こえてくる
玄関には息を切らしているお父さんの姿
「おかえりー、早かったねー」
「桜子!!大変だ!!」
はっ?
「あなた…いったい、どうしたの…?」
お母さんが部屋からオズオズと出てきた
「つ、ついに会社が…倒産した!!!」
・・・・・・・・・はっ!?