最期の雨
お母さんから体温計を受け取る。
わきに挟むと、体温計の先の冷たさで背中がキーンとした。
徐々に進んでいく体温。
6度2分…6度7部…7度5部……。
ありえないほど跳ね上がる数値。
オレはビックリしながら数値が表示されている小さなモニターを見つめた。
Pipipipi...
体温計が計り終えた。
オレは数値を見てビックリした。
『38.4』
そう表示されていた。
お母さんに渡すと、お母さんも流石にビックリしたようで
驚愕の表情を見せていた。
「…分かったわ優弥。休んでいいわ。自分で学校に電話してちょうだいね」
「うん、わかった。」
「熱さまシート、テーブルの上にいっぱい置いておくから。それじゃ」
お母さんはそう言って部屋から出て行った。
オレはタオルケットに包まりながら携帯をいじる。
順平から、メールもきていた。
オレは返すのがめんどくなって中身だけ読んで削除した。
…別に順平のことが嫌いってワケじゃないけど。
ただ、この具合悪いときにメールとか返せる状況じゃないってこと。