最期の雨
~~♪~♪~♪~~~~♪
鳴り響く携帯。
オレは携帯の小さな画面を凝視した。
また順平からかよ。
順平順平順平って…うるさいんだよマジで。
この具合悪いときにメールとか電話とかよこしやがって。
オレはめんどくさくなって、電話に出た。
「もしもし」
『優弥ー!!』
「なんだよ、さっきから電話とかメールとかよこしやがって」
『オレは心配なの』
「つかいま朝のHR中だろ。電話とかして大丈夫なのか」
『うん。だってオレ、今屋上にいるし』
「…サボり?」
『違う。飛び降りようと思ってる』
「勝手にどうぞ」
『優弥冷たい』
「こっちは38度も熱でてる病人なの」
『マジ!?大丈夫!?』
「…大丈夫じゃねえから冷たくしてんだろーが」
『ま、飛び降りるなんて嘘だけど』
「サボりだろ」
『勘がいいのねご名答』
順平はそう言ってから、電話先でクスっとわらった。
「なんだよ」
『元気そうでよかった』
「…なんかキモい」
『ふふ、んじゃ。オレそろそろ授業でないと出席日数足りなくてヤバイから。それじゃ』
そういって電話が切れた。
約2分50秒の会話。
オレは自分のことをほめたい。
具合悪いのによく喋った、って。