素直になんかなれない


そんな感情と毎日葛藤しながら
次の日。


――事件(?)は起きた。





「あちゃ~。やっちゃったねぇ。」

一層騒がしい教室の隅。


ブスっとしたあたしを見下ろして
ヨッシーは伺うように言った。



「いいの?あのままで。」

「……いいも何も、仕方ないし。」

「でも、美帆だいぶくっついてない?」



そう言われ
あたしは溜め息混じりに窓際の席に視線を投げた。


そこには
昴の隣に、ピッタリと寄り添う美帆(ミホ)の笑顔。

その顔は嬉しそうに
目を細めて昴の背中を叩いていて。


笑い声がこっちまで聞こえて
不快な気分に陥る。




「にしても、一番前とかツイてないよねぇ寧々ってば。」

ヨッシーの言葉に
更に深い溜め息を落としたあたしは

全てから目を逸らすように机に伏せた。




本当、最悪だ。







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