素直になんかなれない


例えば

相手の心が見える、そんな鏡があったとしたら。


こんなすれ違いも
きっと、起こらなかったんだと思う。



でも、俺は思うんだ。


確かに、俺たちは解り合えずに
こうしてすれ違ってしまったかもしれないけれど

この事を通して
俺は寧々の存在の大きさ、自分の彼女への気持ちに

気が付く事が出来たのだと。



もし、こうゆう事が起きなければ
俺はずっとそんな優しい気持ちに出会えなかった。



…だからね、寧々。



俺は寧々を傷つけてしまったし
俺も、すごく傷ついたけれど

このすれ違いは、俺たちの絆をより強めてくれたのだと

そう、信じたいんだ。



大丈夫。

俺たちの心は、互いが思ってる以上に深く
そして、強く結ばれているのだから。




だからこそ

そんな俺たちに
乗り越えられないモノなんて、ないはずだよね。




待ってて、寧々。


俺、君を
ちゃんと、抱き締めに行くから―――。







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