素直になんかなれない


結局あたしは放課後まで
そんな二人の声を聞きながら、一日中ブスっ面。


何で、なんて問うだけ無駄だ。


くじ引きで決まった席は
どんなに嫌でも、3ヶ月は変わらない。



もちろん、時間を巻き戻す事なんて不可能だし
このまま我慢しなくちゃいけない事もわかってる。

でも、それじゃあ
美帆の思うツボだから。



――あたしは自らある行動に出た。






「美帆と……仲良くしないで。」

「え?」


夕焼けに染められた帰り道。


その言葉に足を止めた昴は
振り返り、少し後ろを歩いていたあたしを見つめてきた。


真っ直ぐな昴の視線に
なかなか二の句が出ない。


それでもあたしは負けじと

「だ、だから…っ。美帆と、あんまり喋らないでって言ったの!」

声を張り上げ、昴から目を逸らした。



授業中に合った
美帆のあの勝ち誇った目。

窓際の昴と、廊下側のあたし。


どう足掻いたって、現実は変わらないのだから


それならば
前もって対策を練ればいい。



それが、あたしの考え抜いた答え。






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