素直になんかなれない


そう思って4日。

顔の腫れも少しずつ引き
切れた口元も、ようやく塞がった頃。


俺は今日こそ
寧々と話をしようと朝から意気込んでいた。



「ほら、ちゃんと並べ~。」


と、その前に
全校集会があるらしく

体育館に向かうべく、整列させられる。


何でも、表彰式があるんだとか。


だけど正直
そんな事どうでもよくて。


だらだらと並び始める俺たちに
先生がみんなを先導して歩き始める。


俺はただ
ぼんやりと寧々の後ろ姿を追い掛けた。

あの、寧々のトレードマークである
おだんご頭が視界の端で、ちらちらと揺れる。




すると、後ろを歩く悠から肩を叩かれ声が掛けられた。


「どうよ、痛みは?」

「誰のせいだ、誰の。」

歩きながら会話をする俺たち。


チャラチャラと鳴る、悠の腰からぶらさげられたチェーンがたまに俺の足をかすめる。



「お前も喧嘩くらい強くなれって。」

「ざけんな、俺は争い事は嫌いなんだよ。」

「またまた!結構本気だったくせに!」


そんなくだらない話をしていたその時。


「何の話してるのぉ?」






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