素直になんかなれない
そう、あたしは
ここ何日かの寝不足が祟って
あの全校集会で倒れてしまったのだ。
それはもちろん、毎晩のように昴の事を考えていたからで。
自業自得、とは
まさにこうゆう事。
でも、それがきっかけで
こうして昴と再び並んで歩けるのだから
本当は喜ぶべきなのかもしれないけれど……。
実際、そうゆう訳にもいかないのだ。
だって、あたしたちは
一度だけならず、二度までも
全校生徒の前で告白し合った、赤っ恥カップル。
「…つーか、俺明日から学校行けねーよ。」
「……うん、あたしも。」
あの後、どれだけの人たちに
冷やかしを受けたかは、今更言うまでもないと思う。
…本当、穴があったら是非とも入りたい。
思い出しただけで
顔中に夏が帯びてゆく。
そんなあたしに
昴は「でも、」と口火を切って、ジャリっと砂を鳴らしながら
あたしの前で立ち止まった。
「でも、寧々と仲直り出来て…本当によかった。」
「…昴、」
あたしも、だよ。
あたしもずっと昴と同じ事、思ってた。