素直になんかなれない
ドキドキが、自分でも抑えきれない程速まってゆく。
きっと
顔なんて、茹でダコのように真っ赤だろう。
でも、でもね?
昴と離れてたこの何日かで
あたしは、自分の悪いところと向き合う事が出来た。
意地っ張りで
あまのじゃくで
素っ気なくて
素直じゃなかったあたし。
そんな自分とは
もう、今日でさよならするんだ。
だってあたしは
ずっと、昴の傍に居たいから。
ちゃんと好きだよ、って
伝えていきたいから――――。
恥ずかしくて
顔から煙が出そうだった。
真冬なのに、とにかく体中が熱い。
そんなあたしに
昴は笑って言ってくれたよね。
真っ赤になったあたしの手を取って
「俺も、寧々と同じ事考えてた。」
なんて、甘い言葉を囁いて歩き出すから
涙がこぼれそうだった。
…やっぱり、昴はズルイよ。
あたしの精一杯の勇気ですら
昴の言葉には、叶わない。
たった一言で
あたしを嬉しくさせるんだから。