素直になんかなれない
聞きたいんだ。
寧々の言葉で、ちゃんと。
「……あ、あたしも、」
「…うん…。」
「…す、昴の事……っ。」
「うん。」
寧々の声で、言って欲しいんだ。
「……好き…だったよ、ずっと……。」
最初から言えって、ばーか。
そっと体を離すと
恥ずかしさから俯く寧々。
俺はそんな寧々を見下ろし、口を開いた。
「奈雲、」
「…ヤダ!」
「へっ?」
俺の言葉を遮った寧々は
「ねーね、でしょ?」
そう言って、唇を尖らせる。
俺は一瞬きょとんとしたものの
すぐに笑顔に戻ると、再び寧々を抱き締めた。
「寧々、」
これでいい?と問い掛けた俺に
寧々は満足気に笑う。
「よく出来ましたっ!」
って、完全に俺の完敗です。