素直になんかなれない
次の日の目覚めは最悪だった。
夢の中でも
あたしは素直じゃなくて
ずっと笑顔だった昴も、最後は困ったように顔をしかめていた。
しかも、目覚める直前言われた一言に
ようやく夢から抜け出したあたしは泣いていて。
カーテンの隙間から覗く朝日が
涙に濡れたあたしの瞳を、更に刺激してくる。
――『もう、無理だよ…俺たち。』
まだ虚ろな思考で
涙を拭った。
そして自傷的に笑う。
「…夢、だってば。」
心に深く刺さった棘を
取り払うように呟いてみたけど
それでも、不安は拭い去れなかった。
学校、行きたくないな…。
全然寝た気がしなくて
もう一度布団を深く被ってみる。
でも、それじゃあ
昨日の事で休んだのか、って
昴心配するかな。
自分の事…責めちゃう、かな。
……それは、嫌…だなぁ。
しばらくベットでウダウダ考えていると
もう家を出なきゃいけない時間に差し掛かって
あたしは仕方なく、学校へ行く支度を始めた。