素直になんかなれない
――例えば、声を失ったとして。
そうしたら
あたしは、もう少し可愛くなれるような気がする。
言葉に出来ない分
他の手段で、素直な気持ちを伝えようって
本当はこう思ってるんだよ、って
きっと必死に努力すると思う。
でも、今のあたしにはちゃんと声がある。
伝えられるはずの言葉を
少なからずとも、持っている。
だけど、それを上手く伝える事が
あたしには出来ないんだ。
だから突っ張って
意地張って、思ってもない事言っちゃって。
一秒毎に過去になってしまう“今”を
いつも、後悔してばかり。
多分、この性格は
一生直らないんだろう。
こんなんで、あたしは昴をちゃんと幸せに出来るのかな?
不安だよ、昴……。
あたしは
上手く、昴を愛せなくて
困らせてばっかりだから―――。
…どうしたらいいのか、わからないよ。