素直になんかなれない


試す、なんて
最低だってわかってる。

でも、こうするしか思いつかなかった。



昴の愛情が知りたくて。

あたしを、優先して欲しくて。



いつもなら許してた事も
今日は、…今日だけは…。



だって、あたしは“彼女”だもん。


彼女と喧嘩してたら
いくら仲間の誕生日とはいえ

あたしを、選んでくれるよね?



そうしたら
きっと仲直り出来るよ、昴。

形だけでいいの。


『今日は行かない。』

そう言ってくれたら。



こんなモヤモヤ、どっかに飛んでいっちゃうんだよ。




だから、迷ったりなんかしないで。

簡単な事じゃない。



あたしだけを見てよ……。





そうすれば、『行って来ていいよ。』って

ちゃんと笑顔で見送れるんだから―――。








< 53 / 135 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop