~異種魔法異能力挌闘SFファンタジー~ 帝竜 -ミカドノリュウ- Ⅱ 竜と炎の王
そして今、その原因の半分を占める少女が、麟紅の弁当(彼の妹作である)から、卵焼きを一つ、自分の口に放り込んだ。
「だいたいあんたなんで数学の授業中寝てるくせにテストで点数高いのよ」
ギロリと睨む藍色の瞳の釣り目、地髪らしい藍のツインテールにした髪、むすっとした表情。名前は椿藍奈(つばきあいな)。曰く、黒魔術師。
容姿端麗、見た目に否はない。が、問題はその性格。進学当初はクラスの男子半数ほどに崇められていた(麟紅はこの事実について記憶がない。記憶喪失などではなく単に意識していなかっただけである。)が、一月も経てばもう誰も迂闊(うかつ)に近づくことはなくなった(やはりここも麟紅は何があったのかを知らない)。
「あ、藍奈ちゃん、そんなに怒らなくても……いいんじゃない、かな?」
そんな藍奈の横で苦笑いをするのが、残りの半分の原因である少女、夕凪茜(ゆうなぎあかね)。彼女は“人間”ではない。というのも、その正体は妖孤であるらしい。茜は人間と妖怪のハーフ、いわゆる半妖という。実際はその半妖という言葉は差別用語だと聞いている。
名前と同じ茜色の長い髪、アニメのような温かみのある温和な顔立ちは、隣でむくれ顔の藍奈とは打って変わって今でも男子生徒の人気ナンバーワンに輝いている。
今少女の周りに他の男子生徒がいないのは、他でもなく麟紅のせいである。彼の黄水晶の三白眼に睨まれると、路地裏の不良でさえ裸足で逃げ出すという不確定な伝説まで樹立されてしまっている。もちろん彼と深く接点のないクラスメイトは誰も彼に近づこうとはしない。当然である。
「だいたいあんたなんで数学の授業中寝てるくせにテストで点数高いのよ」
ギロリと睨む藍色の瞳の釣り目、地髪らしい藍のツインテールにした髪、むすっとした表情。名前は椿藍奈(つばきあいな)。曰く、黒魔術師。
容姿端麗、見た目に否はない。が、問題はその性格。進学当初はクラスの男子半数ほどに崇められていた(麟紅はこの事実について記憶がない。記憶喪失などではなく単に意識していなかっただけである。)が、一月も経てばもう誰も迂闊(うかつ)に近づくことはなくなった(やはりここも麟紅は何があったのかを知らない)。
「あ、藍奈ちゃん、そんなに怒らなくても……いいんじゃない、かな?」
そんな藍奈の横で苦笑いをするのが、残りの半分の原因である少女、夕凪茜(ゆうなぎあかね)。彼女は“人間”ではない。というのも、その正体は妖孤であるらしい。茜は人間と妖怪のハーフ、いわゆる半妖という。実際はその半妖という言葉は差別用語だと聞いている。
名前と同じ茜色の長い髪、アニメのような温かみのある温和な顔立ちは、隣でむくれ顔の藍奈とは打って変わって今でも男子生徒の人気ナンバーワンに輝いている。
今少女の周りに他の男子生徒がいないのは、他でもなく麟紅のせいである。彼の黄水晶の三白眼に睨まれると、路地裏の不良でさえ裸足で逃げ出すという不確定な伝説まで樹立されてしまっている。もちろん彼と深く接点のないクラスメイトは誰も彼に近づこうとはしない。当然である。