~異種魔法異能力挌闘SFファンタジー~ 帝竜 -ミカドノリュウ- Ⅱ 竜と炎の王
 しかし、たった一人、男子でありながら麟紅と親しい少年がいる。名を金土師常磐(かなはじときわ)。彼も魔法使いで、自称陰陽師。自称、というのはただ麟紅が見たことがないからなだけであって、決して偽者というわけではない。

「まぁ、わいとしてはあぁやって時々なんかアクション起こしてもらうと目が覚めるからいいんやけどね」

「授業の半分は寝てるくせに、えらそーに」

 藍奈がそう切り込むと、常磐はしばし口を開けっ放した後、一気に黙り込んだ。返す言葉がなかったようだ。
 いぶした銀髪に緑ぶちのメガネ、耳にピアスをつけた常磐はクラスで一番背が高い。彼を通称ヒマラヤ、麟紅をアルプス、残り二人ロッキーとアンデスとして、学年でもトップクラスの身長を誇る四人組みである彼らを“マウンテン・フォー”と呼んでいるのがこのクラスの臨時担任、柊(ひいらぎ)エリナ(二十四歳彼氏募集中)。
 臨時、というのは前担任が行方不明になったため。少なくとも他の一般の生徒にはそう伝えてある。しかし、実際はその根源に麟紅がいるということは、関係者以外誰も知らない。
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