~異種魔法異能力挌闘SFファンタジー~ 帝竜 -ミカドノリュウ- Ⅱ 竜と炎の王
 炎が全然操りきれていない。
 麟紅はわかっていた。しかし、こればかりは簡単に済む話ではない。一朝一夕で済まそうなどとは馬鹿な考えである。

(わかっちゃいたけど……)

 ふと、帝の竜の言葉が反芻した。

(“お前の意思に炎は答える。そうすれば、お前が最も望む形で炎(りゅう)は答えてくれる”)

「俺の意思に炎が答えて、俺の望む形で炎は答えてくれる……」

“そうだ”

 帝の竜の低い声が脳に響いた。
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