~異種魔法異能力挌闘SFファンタジー~ 帝竜 -ミカドノリュウ- Ⅱ 竜と炎の王
「これが最後の一撃だ」

 “戦車”の静かな声が耳に届いた。

「祈りたまえ……、願いたまえ……」

 “戦車”の口から、滑らかな呪文(スペル)が流れ出る。指先の炎が、赤から紫へ、青へ、そして白へと変わる。

「我が力は悠久……、我が力は洗礼……」

 炎は巨大化し、“戦車”の体を包み、さらに拡がる。

「すなわち我が劫火の前に平伏すが良い!!」

 “戦車”がその両腕を、力一杯広げた。

 白い炎が、麟紅の目の前まで迫った。
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