~異種魔法異能力挌闘SFファンタジー~ 帝竜 -ミカドノリュウ- Ⅱ 竜と炎の王
 *

「駄目だな」

 目の前に座り込む朽葉を見て、焔崎はため息をついた。

「お前はまだまだ未熟な下忍か」

 くっ、と歯噛みするも、動かない自分の体ではもはやどうすることもできない。
 すぐに焔崎はくないを構え、上空高く飛び上がった。

「これまでで、ござるか……」

 焔崎のくないが、朽葉の喉元を的確に捉えた、と思ったら、
 くないは首筋にあたる寸前で止められた。

「“戦車”、負けたのか……。命拾いしたな」

 最後は朽葉にむけての言葉だった。焔崎はそのまま広場の方向へ飛び去ってしまった。

「助かった、でござるか?」

 一気に疲れが押し寄せてきて、朽葉はその場で崩れるように眠った。
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