~異種魔法異能力挌闘SFファンタジー~ 帝竜 -ミカドノリュウ- Ⅱ 竜と炎の王
「ずいぶんと遅かったじゃねぇか」
カーキーがため息交じりに文句を垂れるが、麟紅は知ったことではない。
「うっせぇ」
「すいません。クラスのショートが長引いちゃって」
目も合わさずカーキーの横を通り過ぎる麟紅の後から、頭を下げてカーキーに謝るのは紫音。紫のリボンでポニーテールにまとめた長い髪は美しく、麟紅と同じで黒。その割りには髪以外兄妹で似ているところがまったくないと言われるほどかわいく育っている。麟紅の自慢の妹だ。
それにあわせるように、檸檬が怒った顔を見せる。
「そ――だよ――! まったく照ちゃん(紫音たちのクラスの担任らしい)はいつも文句が長いのだ――!!」
腕をぶんぶん振りながら叫ぶ檸檬の栗色のふわふわの頭は、黄色いカチューシャで飾られている。こちらはまだ幼さの残るかわいさだが、紫音曰くクラスではともども一位を争う人気らしい。
謝る紫音と怒る檸檬を落ち着かせて、カーキーは深くため息をついた。
「はぁ……兄妹でここまで似ていないのもどうかと思うけどなぁ」
呟きながら、先にさっさと中に行く麟紅と璃寛に目をやった。
「でも、どっちもシスコンってとこは確かですよね」
と後ろから囁いたのは、常磐であった。
カーキーがため息交じりに文句を垂れるが、麟紅は知ったことではない。
「うっせぇ」
「すいません。クラスのショートが長引いちゃって」
目も合わさずカーキーの横を通り過ぎる麟紅の後から、頭を下げてカーキーに謝るのは紫音。紫のリボンでポニーテールにまとめた長い髪は美しく、麟紅と同じで黒。その割りには髪以外兄妹で似ているところがまったくないと言われるほどかわいく育っている。麟紅の自慢の妹だ。
それにあわせるように、檸檬が怒った顔を見せる。
「そ――だよ――! まったく照ちゃん(紫音たちのクラスの担任らしい)はいつも文句が長いのだ――!!」
腕をぶんぶん振りながら叫ぶ檸檬の栗色のふわふわの頭は、黄色いカチューシャで飾られている。こちらはまだ幼さの残るかわいさだが、紫音曰くクラスではともども一位を争う人気らしい。
謝る紫音と怒る檸檬を落ち着かせて、カーキーは深くため息をついた。
「はぁ……兄妹でここまで似ていないのもどうかと思うけどなぁ」
呟きながら、先にさっさと中に行く麟紅と璃寛に目をやった。
「でも、どっちもシスコンってとこは確かですよね」
と後ろから囁いたのは、常磐であった。