~異種魔法異能力挌闘SFファンタジー~ 帝竜 -ミカドノリュウ- Ⅱ 竜と炎の王
「で、学園長。俺たちを全員呼び出してまで、何の用ですか?」

 詩方から受け取ったティーカップを口に運び、慌てることもなくカーキーは尋ねた。カーキーの権限で、結局全員紅茶にさせられてしまった。紫音はまだいいが、茜や檸檬は苦そうな顔をしている。

「ふむ、実は主に御冠神楽君のことに関してなんじゃがな」

「まぁ、予想はしてたけど」

 学園長の答えに少々期待していたが、予想通りの答えだったことにちょっとがっかりした。
 それにしても、天下の学園長に向かってタメ口とはいい度胸である。

「で? 今度は何の用っスか?」

「本来なら御冠神楽君にのみ話せばいいことなんじゃが、それは場合によっては危険を伴う。みんなにも話しておかねば、と思ってな」

「もったいぶってねぇでよブッ……」

 藍奈の拳が左側から飛んできた。麟紅はその勢いで顔面をテーブルに強打した。
 麟紅が顔を上げるのを見て、学園長はゆっくりと口を開いた。

「わかっているとは思うが、話の大筋は君の中にいる竜王についてじゃ……」

 麟紅は学園長のまっすぐな視線を、鼻血を拭いて受け止めた。
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