~異種魔法異能力挌闘SFファンタジー~ 帝竜 -ミカドノリュウ- Ⅱ 竜と炎の王
紫音が首をかしげる。他の全員も麟紅に痛い目を向けてくる。
当の麟紅だけは、真剣な表情でただじっと部屋中を見回す。
「部屋の中に姿がないってこたぁ……」
“幽霊ではないぞ……”
「ぎゃぁあああああああああ!!」
「どぅぉあああああああああ!!」
「いやぁあああああああああ!!」
急に頭を抱えて叫びだした麟紅に触発され、椅子から転げ落ちたカーキー。さらにそれに続くように朽葉、藍奈、茜、紫音、檸檬が後ずさりで麟紅から距離をとる。常磐と詩方は顔を青くして無言で後ろに下がった。
慌てた学園長が、全員をなだめるようにしてから麟紅に向いた。
「な、何かね、御冠神楽君?」
「なんかいるなんかいるなんかいるなんかいる――――!!」
両手で頭を抱えたまま麟紅は狂ったように転がりまわった。はたから見ていると痛い人にしか見えない。
それでも気になってしょうがない常磐が、勇気を出して尋ねてみた。
「何かいるって……どこに?」
床に、仰向けに両手を広げて麟紅は寝転がった。大変行儀が悪いが、そんなことを気にするほど麟紅はまともではない。
「頭ん中に……」
“正確には、全身に、だ……”
再び低い声が響き、麟紅は狂ったように口から乾いた笑いを永遠と流す他なかった。
当の麟紅だけは、真剣な表情でただじっと部屋中を見回す。
「部屋の中に姿がないってこたぁ……」
“幽霊ではないぞ……”
「ぎゃぁあああああああああ!!」
「どぅぉあああああああああ!!」
「いやぁあああああああああ!!」
急に頭を抱えて叫びだした麟紅に触発され、椅子から転げ落ちたカーキー。さらにそれに続くように朽葉、藍奈、茜、紫音、檸檬が後ずさりで麟紅から距離をとる。常磐と詩方は顔を青くして無言で後ろに下がった。
慌てた学園長が、全員をなだめるようにしてから麟紅に向いた。
「な、何かね、御冠神楽君?」
「なんかいるなんかいるなんかいるなんかいる――――!!」
両手で頭を抱えたまま麟紅は狂ったように転がりまわった。はたから見ていると痛い人にしか見えない。
それでも気になってしょうがない常磐が、勇気を出して尋ねてみた。
「何かいるって……どこに?」
床に、仰向けに両手を広げて麟紅は寝転がった。大変行儀が悪いが、そんなことを気にするほど麟紅はまともではない。
「頭ん中に……」
“正確には、全身に、だ……”
再び低い声が響き、麟紅は狂ったように口から乾いた笑いを永遠と流す他なかった。