~異種魔法異能力挌闘SFファンタジー~ 帝竜 -ミカドノリュウ- Ⅱ 竜と炎の王
「まず最初に聞く……」

 麟紅がゆっくりと呟いた。
 語りかける相手は学園長でもカーキーでもなくここにいる誰でもない。
 言うならば、自分。

「お前は誰……ってゆーか“何”なんだ?」

 麟紅が尋ねると、頭の中に響くような低い声が聞こえた。

“わかっているだろう……私こそが帝の竜だ……”

 否、実際に頭の中に響いていた。
 麟紅は他の皆に目で合図するが、全員が全員首を傾げるだけだ。どうやら本当に体の中に入っているらしい。

「で、帝の竜」

“帝、で構わん”

「あそう、じゃあ仕切りなおすけど……帝、お前は何で俺ん中に入ってんだ?」

“お前が選ばれた者だからだ”

「何に?」

“私に、だ”

 麟紅はめんどくさくなってきて、ため息をついた。
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