~異種魔法異能力挌闘SFファンタジー~ 帝竜 -ミカドノリュウ- Ⅱ 竜と炎の王
「ま、今はその話をしに来たんじゃねぇ。“恋人(ラヴァーズ)”からの朗報だ」

 ふと、意識を取り戻し、煽烙はいつもの表情で“戦車”を見た。

「なんですか、朗報とは?」

「とぼけてんじゃねぇよ。ったく、俺に知らせもしねぇで、勝手に話し進めやがって」

 “戦車”は腰に手をあて、深くため息をついた。煽烙は、ここで初めて笑みを見せた。

「フフフ、私は君が楽しみは後に取っておく主義だと思っていたんですけどね」

「バカやろう、こんだけでかいパーティに参加できねぇなんて、吐き気がするぜ」

「相変わらず君の日本語は面白いですね」

「そうか? 俺ぁそうは思わねぇが」

「で、朗報ってなんですか?」

「おぉ、そうだったな、すっかり忘れかけてたぜ」

 “戦車”は一つ、咳を払った。
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