~異種魔法異能力挌闘SFファンタジー~ 帝竜 -ミカドノリュウ- Ⅱ 竜と炎の王
*
麟紅たちが部屋を去った後の、学園長室。
学園長は、一人無言で窓の外を見ていた。
しばらくその形で立っていると、扉が叩かれる音がした。
「学園長」
秘書の詩方の声が耳に届いた。
「うむ」
学園長が短く答えると、ゆっくりと扉が開かれ、詩方が顔を見せた。
「お客様がいらっしゃいました」
「客、とは……」
詩方に続いて部屋に入ってきたのは、長い黒髪に彫りの深い獅子のような顔立ちをした中年の男だった。
「これはこれは、教皇様。わざわざこのような場所までおいでなさるとは」
教皇様、と呼ばれた男は、無言で返事をした。
「詩方君、君は少し席をはずしてくれんかの。あぁ、お茶はいいわしがするからの。それとしばらく誰も学園長室に近づかないようにしておいてほしい」
詩方は「わかりました」とだけ答えると、すっと退室した。
「お茶は、レモンティーがいいですかな?」
「そろそろその口調は止めたらどうだ」
男が、悠然とした態度で言い放った。まるで獅子の咆哮の如き声だ。
学園長はしばし沈黙した後、ゆっくりと顔を男に向けた。
「おぉ、そうでしたな。ついついいつもの癖が残ってしまって……」
笑いながらソファに座り、男にも座るように進めた。
男が座ったのを見届けて、学園長はニタリ、と笑った。
「で、今日はいったい何のようですか? 教皇……いや、“世界(ワールド)”……」
麟紅たちが部屋を去った後の、学園長室。
学園長は、一人無言で窓の外を見ていた。
しばらくその形で立っていると、扉が叩かれる音がした。
「学園長」
秘書の詩方の声が耳に届いた。
「うむ」
学園長が短く答えると、ゆっくりと扉が開かれ、詩方が顔を見せた。
「お客様がいらっしゃいました」
「客、とは……」
詩方に続いて部屋に入ってきたのは、長い黒髪に彫りの深い獅子のような顔立ちをした中年の男だった。
「これはこれは、教皇様。わざわざこのような場所までおいでなさるとは」
教皇様、と呼ばれた男は、無言で返事をした。
「詩方君、君は少し席をはずしてくれんかの。あぁ、お茶はいいわしがするからの。それとしばらく誰も学園長室に近づかないようにしておいてほしい」
詩方は「わかりました」とだけ答えると、すっと退室した。
「お茶は、レモンティーがいいですかな?」
「そろそろその口調は止めたらどうだ」
男が、悠然とした態度で言い放った。まるで獅子の咆哮の如き声だ。
学園長はしばし沈黙した後、ゆっくりと顔を男に向けた。
「おぉ、そうでしたな。ついついいつもの癖が残ってしまって……」
笑いながらソファに座り、男にも座るように進めた。
男が座ったのを見届けて、学園長はニタリ、と笑った。
「で、今日はいったい何のようですか? 教皇……いや、“世界(ワールド)”……」