~異種魔法異能力挌闘SFファンタジー~ 帝竜 -ミカドノリュウ- Ⅱ 竜と炎の王
「それはつまり、一戦交えたい、ということですか?」
「あぁ。同じ炎使いとして、ぜひともお目にかかってみてぇ」
“戦車”の手のひらから、どういう原理か、小さな火が上がった。橙の色をした炎。しかし、煙は一切出ない。
「なるほど。確かに、君の魔術から考えれば、当たり前の感情ですね。“帝の竜”は今は“魔術師(マジシャン)”の監視下にあるはずですから、逃げられることはないでしょう」
「そうか……。……もし」
急に声を低くし、“戦車”は独り言のように、小声で呟いた。
「もし俺が負けるようなら、俺は所詮その程度の奴だったってだけだ」
「……ですが、もし勝った場合は?」
灯りに照らされた煽烙の表情が、愉悦のものになった。
「もちろん」
“戦車”の手のひらの上の炎が、勢いを増した。
「俺が“帝の竜”を支配する」
ボッ、と音を立て、手のひらの上の炎は闇に消えた。
「あぁ。同じ炎使いとして、ぜひともお目にかかってみてぇ」
“戦車”の手のひらから、どういう原理か、小さな火が上がった。橙の色をした炎。しかし、煙は一切出ない。
「なるほど。確かに、君の魔術から考えれば、当たり前の感情ですね。“帝の竜”は今は“魔術師(マジシャン)”の監視下にあるはずですから、逃げられることはないでしょう」
「そうか……。……もし」
急に声を低くし、“戦車”は独り言のように、小声で呟いた。
「もし俺が負けるようなら、俺は所詮その程度の奴だったってだけだ」
「……ですが、もし勝った場合は?」
灯りに照らされた煽烙の表情が、愉悦のものになった。
「もちろん」
“戦車”の手のひらの上の炎が、勢いを増した。
「俺が“帝の竜”を支配する」
ボッ、と音を立て、手のひらの上の炎は闇に消えた。