~異種魔法異能力挌闘SFファンタジー~ 帝竜 -ミカドノリュウ- Ⅱ 竜と炎の王
 ようやく藍奈がしゃくりあげながらも口を開いた、と思ったら口にしたのはその一言だけ。麟紅はさらに問う。

「東大広場に、どうするんだ?」

「そこに……、一時間半後までに来いって……」

「一時間半って……」

 麟紅は立ち上がりポケットから懐中時計を取り出す。

「七時半……間に合わねぇことはねぇが、ちょっときついな」

「い、行くんですか……?」

 茜が座ったまま麟紅を見上げて尋ねた。

「行くっきゃねぇだろ。妹の命かかってんだ。安心しろ、絶対死ぬつもりは」

「だったら、わたしも行く……」

「は?」

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