~異種魔法異能力挌闘SFファンタジー~ 帝竜 -ミカドノリュウ- Ⅱ 竜と炎の王
*
時は少し戻って、場所は学園都市内、高等学区商業区。表の騒がしい通りからはずれて裏の路地へ回ると、そこはある種の無法地帯となる。
そのとある一画。コンクリートのビルに囲まれた路地の壁が、真っ赤に染まっている場所があった。壁や地面には、何人もの傷だらけの少年の体が横たわっている。そのどれもが、もう息絶えていた。
その中心で、一人の少年が一枚の札を手にブツブツと何かを呟いていた。
「魔術的反応はなしやな。傷口から考えりゃ、刃物かなんかかいな。ただの殺人にしちゃあ証拠があらへんし……。とりあえず撤去やな」
少年は札を地面に投げつけた。
「清めや」
地面に突き刺さった札から赤い波動が流れ、壁や地面にこびりついた赤い血を消し去っていく。
そして今度は別の札を何枚か取り出し、倒れている死体にそれらを投げつけた。
「南方紅帝火行呪符、朱雀の符。……安らかに眠れ」
張り付いた札から火が上がり、死体を一瞬にして消し去った。
今まで死体があったとは思えないほど、その場は整然となった。
そこへ、また新たな人影が。
「あれ? 常磐くん。何でこんなところに?」
時は少し戻って、場所は学園都市内、高等学区商業区。表の騒がしい通りからはずれて裏の路地へ回ると、そこはある種の無法地帯となる。
そのとある一画。コンクリートのビルに囲まれた路地の壁が、真っ赤に染まっている場所があった。壁や地面には、何人もの傷だらけの少年の体が横たわっている。そのどれもが、もう息絶えていた。
その中心で、一人の少年が一枚の札を手にブツブツと何かを呟いていた。
「魔術的反応はなしやな。傷口から考えりゃ、刃物かなんかかいな。ただの殺人にしちゃあ証拠があらへんし……。とりあえず撤去やな」
少年は札を地面に投げつけた。
「清めや」
地面に突き刺さった札から赤い波動が流れ、壁や地面にこびりついた赤い血を消し去っていく。
そして今度は別の札を何枚か取り出し、倒れている死体にそれらを投げつけた。
「南方紅帝火行呪符、朱雀の符。……安らかに眠れ」
張り付いた札から火が上がり、死体を一瞬にして消し去った。
今まで死体があったとは思えないほど、その場は整然となった。
そこへ、また新たな人影が。
「あれ? 常磐くん。何でこんなところに?」