~異種魔法異能力挌闘SFファンタジー~ 帝竜 -ミカドノリュウ- Ⅱ 竜と炎の王
 そして、銘苅は大都の問いに答えるわけでもなく、不気味にその鋭い目を青く輝かせた。

「目が光った!!」

 というアズラクの声を後ろで聞いて、常磐は身構えた。
 が、攻撃は銘苅からは来なかった。

「!! ブッ!」

 次の瞬間、常磐は顔面を思いっきり蹴り飛ばされた。そのまま地面になぎ倒される。
 蹴った相手は銘苅でも大都でもなく、紫音だった。
 生気を感じさせない目をした紫音はそのまま華麗に宙を舞い、優雅に着地した。

「な、なん……!」

「大都、御冠神楽紫音を“戦車(ストレングス)”氏のもとへ。私は」

 一呼吸分切って、銘苅は装束の下からくないを取り出した。

「この方たちの相手をしてまいります」

 大都は一礼し、紫音を抱えてそのまま飛び去った。

「あ! ちょと待たんか……!!」

 ひゅ、と何かが常磐の耳をかすめた。
 銘苅がくないを投げた姿勢のまま、常磐を睨みつけていた。

「本気で来なさい。でなければ、怪我ではすみませんよ……」

 常磐の額を一筋の汗が流れた。


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