鬼 鴉【総集編】


「家を棄て、国を棄て、名を棄て、鬼を名乗った時から、私は戦い続けている」


過去を思い出すように、鬼人は語り続ける。


「……どんな犠牲を払おうとも、な?」


それは贖罪なのかもしれないが、鬼人の本音は、わからない。



「……自分の都合で降りるワケには、いかない。他人の生命を奪ってきた代償だと、言えよう」



鬼人はそこで途切ると、視線を宙に泳がせ、沈黙した。


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