鬼 鴉【総集編】


闘兵衛は、鬼人のソレを絶妙な間で、後方に避ける。


太刀の切っ先が、闘兵衛の鼻先スレスレを通り過ぎていく。

刃と鼻の間隔は、米一粒分もなく、まさに神懸かり的にも近い動きであろう。



眼力、判断力に瞬発力、そして、勘―



統べてを複合させたその動きは神業であり、刃は残像を斬るのみである。


闘兵衛の顔面を斬り裂いたという感触を得られずに、鬼人は顔をしかめながらも、第二撃を放つのであった。



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