鬼 鴉【総集編】
『キュイィンッ』
空気を、斬り裂く音―
風を紡ぐ切り裂き音と共に、上段斬りから流れるように、突きを放つ。
上段斬りを上回る音速の突きは、白刃をしならせていた。
後方に避けた闘兵衛の首を貫くように、鬼人の突きが迫る。
その鬼人の突きを遥かに凌ぐ速さで、吸い付くように左腕の鉄甲で自分の左側へと、闘兵衛は弾いた。
まるで、桃華と闘った時のように―
まるで、ランスと戦った時のように―
互いの攻防が、刻を彷彿させた。