鬼 鴉【総集編】
その、鴉の左翼の太刀から血が滴り落ちる。
「い、いつの間に……」
「クソォうっ!?皐月が斬られたっ……!!」
かすれる声で、絶え絶えに呟く皐月―
闘兵衛は怒鳴り声を上げながら、皐月の元へ駆け寄る。
次の瞬間、皐月の背中が裂け、鮮血が舞った。
「「なっ……!?」」
皐月が斬られた間が理解できず、桃華と銃佐ェ門は表情を強張らせる。
その間だけが抜け落ちたかのような、光景―
鴉の攻撃に反応し、対応できたのは闘兵衛だけであった。