鬼 鴉【総集編】
「1人……、だ」
鬼人は両腕を胸の前で組むと、重い口を開く。
「1人ぃ~……、なんだぁ?下痢でも起こしてたのかよ……?」
ブレイドは呆れながら、ふざけた言葉を吐き捨てる。
「……だと、納得いくんだがな」
鬼人は、ブレイドの質の悪い冗談を受け止めた。
しかし誰も笑わず、重い沈黙が流れる。
「信じられませんなぁ?あれほどの男が、たった1人に……?」
スキンヘッドを摩りながら、ランスは口を開く。
ソレは、そうであろう。
自他共に、黒鬼を認める発言をしていたので、驚くのは当然であった。