鬼 鴉【総集編】
「……全身20ヵ所以上の打撲。両脚大腿部は肉離れ、肋骨にヒビ、後は軽い脳震盪……。まぁ、全治一ヶ月って所ね」
紅拳は先の一見だけで、黒鬼の症状を冷静に判断し、口にする。
この見識には、皆が驚くしかない。
紅拳が、一流の拳法家である証拠ともいえた。
「……取り敢えず、治療に専念してもらう」
鬼人は腕を組んだまま、結論を出す。
コレ以上の情報は、余計な誤解を生む。
基盤を揺るがさないようにする事も、統率者としての役目であった。