鬼 鴉【総集編】
『ザクッザクッ』
砂浜を踏み締めるように闘兵衛と禁は、足を進めていく。
「いた!……アイツだ」
禁は、闘兵衛に向かって口を開いた。
禁の指差す先に、一人の人物が座っている。
頭に布を巻き、少し汚れた着物を着込み、砂浜の上に長い布袋を置いていた。
その人物は、禁と闘兵衛の姿を認めるとゆっくりと口を開く。
「……また、連れて来たのか?」
青年、であった。
青年は禁に対して小言のようにボヤキながら、眉をしかめる。
禁と青年の関係は解らないないが、互いの立場は同等なのだろうと闘兵衛は思ったのだった。