鬼 鴉【総集編】
「「っ!?」」
闘兵衛と皐月の、突然の対決を呆然と見ていた、禁と銃佐ェ門が驚く。
体勢を崩した皐月に対して、闘兵衛は懐に入り込もうとする。
だが皐月は、地面に突き刺さった大太刀を軸にし回転すると、右廻し蹴りを放ったのだった。
『ゴォッ』
鈍い音が、響き渡る。
「っ!!」
闘兵衛は皐月のその蹴りを、左鉄甲で受ける。
さらに皐月は身体の回転を止めず、しゃがみ込みながら左脚で水面蹴りを放つ。
『ビョッオッ』
空振り。
闘兵衛はすでに皐月との距離を取り、攻撃圏内から外れていた。
「フム……」
一つ頷き、闘兵衛はまた構え直す。
まるで、皐月との戦いを確かめるような表情を浮かべていた。
皐月は砂浜を駆け出し、闘兵衛との間合いを詰めると、下から左脚で蹴り上げ闘兵衛の顎を狙う。
『ビュッ』
その蹴り上げを闘兵衛は完全に見切り、あっさりと避けていた。