鬼 鴉【総集編】
皐月は闘兵衛に蹴りを避けられると、右手に掴んでいた大太刀を真横に振るう。
『ガァッ』
闘兵衛は、その大太刀を鉄甲で防いだ。
「なるほど……、お前は緒方さんの、足元にも及ばない、ナ?」
刃と鉄甲で、鍔ぜり合いを行う皐月に向かって、闘兵衛は呟く。
「なっ!?」
皐月は驚きの声を上げ、その人形のような表情を崩し、闘兵衛を睨み付けた。
鉄甲と刃による鍔ぜり合いから、激しい剣幕を浮かべ皐月は左中段蹴りを放つ。
『ドサッ』
一瞬の攻防の後、皐月は砂地に尻餅を付いていたのだった。