鬼 鴉【総集編】
闘兵衛はその中段蹴りをしゃがみ込みながら避けると、先ほどの皐月と同じように、回転しながら左脚水面蹴りを放つ。
ただ、その蹴りは非常に高速な回転によって放たれており、皐月の右軸脚を刈ったのだった。
決着で、ある。
戦い、という緊張感が解けていく。
闘兵衛は上から、皐月を見下ろすと淡々と声を発する。
「緒方さんなら、一撃一撃で相手の魂を削っていく……。その太刀を使うなら、小手先の技を捨てるんだな?」
皐月は、一度だけ下唇を噛むと闘兵衛に向かい呟いていた。