鬼 鴉【総集編】
「……あまり、歓迎されていないようですね?」
闘華は表情も変えず淡々とした口調で、扉をくぐり抜けたロインの背中に声を掛ける。
「あの二人は、叩き上げで今の地位を得ましたからね……。血筋や血縁というモノを嫌っているのでしょう」
声を掛けられたロインは歩を止めずに、振り返る事なく肩越しに答えた。
「……なるほど」
闘華は無表情で、納得の声を発する。
「気にする事は、ありません。あの二人は新参者に対して、いつもアレですから……」
立ち止まったロインは、闘華の方向へと振り返ると、微笑みながら理由を口にした。
「フフッ、どこの組織も一緒ですね?」
闘華も微笑みを浮かべているが、視線だけは鋭くロインに呟く。
「……」
ロインは口を閉ざすと、進行方向へと足を戻して歩を進め始めた。