鬼 鴉【総集編】
「……」
黒鬼の紳士振りに闘華は目を白黒させ、言葉を失ってしまう。
「……傷の具合は、どうですか?」
会話を保つようにロインは、黒鬼に声を掛ける。
組織が抱える人材には、他者から見て、第一印象だけで衝撃を与えられるモノがいいだろう。
その点からいえば、黒鬼の存在は鬼鴉にとって、絶好の看板だといえた。
だからこそロインは先程の汚名を返上せんが為、闘華へと紹介するに至っている。
「えぇ、おかげさまでなんとか……」
黒鬼は腕を摩りながら、返答した。
「……っ!?」
闘華は、絶句する。
目を懲らしよくよく見てみると、黒鬼の黒い肌は所々、内出血で腫れ上がり満身創痍に近い状態にあったからだ。