鬼 鴉【総集編】
「もっとも……、先程からココには居たのですけどね?」
「!?」
紅拳のさらなる言葉に、闘華は仰天する。
この部屋に黒鬼以外の、人の気配などなかったはずであった。
おそらく、紅拳が最後まで気配を隠していれば、その存在に気付かないまま、ロインと闘華は部屋を退出していただろう。
そうなる事は、火を見るより明らかである。
「紅拳殿も、ヒトが悪いな……」
呆然とする闘華に助け舟を入れるように、黒鬼は苦笑を浮かべ呟いた。