鬼 鴉【総集編】
「それでは、これで失礼します……。後で会議を行いますので、紅拳殿、よろしいですね?」
その無駄な間を許さず、ロインは会話を閉めるように、後の日程を紅拳に説明する。
「えぇ……」
紅拳は闘華から視線を外すとロインの方へと向き直り、神妙に頷いた。
「黒鬼殿は、治療に専念して下さい。会議の内容は、後ほど伝えます」
さらにロインは、黒鬼にも声を掛ける。
「……すいません、お願いします」
黒鬼は、申し訳なさそうに頭を下げた。
鬼鴉の誇る双璧を紹介する事に成功したかは解らないが、そこそこの実力は見せられたと、ロインは踏んでいる。
『ガチャリ』
「では闘華様……、参りましょうか?」
廊下への扉を開きロインは、闘華に声を掛けて、促すのであった。