鬼 鴉【総集編】
「そうですね……?おそらく、紅拳殿でしょう」
「っ!?」
闘華の口から瞬時に導き出された答えに、ロインは驚きすぐに問い返す。
「何故です?」
「彼女とよく似た空気、雰囲気を、持つ人間を知っていますので……」
ロインの問いに闘華は、遠い目で即答する。
それは、闘兵衛の事であった。
一種独特の、雰囲気。
強者のみが纏う、危険な気配を闘華は感じ取っていたのである。
「似ている人物……、ですか?」
ロインは疑問符を浮かべて、尋ねるように、呟いていた。
その答えは非常に不安定で、不確定要素に近い。
明確な答えが得られない以上、その情報は意味を成さないからだ。