鬼 鴉【総集編】


「そうですね……?説明しましょう」


紅拳は一つ頷くと、語り始める。


「かなり昔の事ですが、有力貴族が、とある島に別荘も兼ねて城を造ったんです……」


思い出すように、搾り出すように紅拳は口を開くと、さらに続けた。


「貴族が亡くなった後、その城はかなりの期間放置されていたんですが、山賊や盗賊が住み着き、蛮族と呼ばれるようになったのです」


紅拳は、一呼吸付ける。


わかりやすく説明をしたつもりだが、日本に居た闘華に概要が伝わったのかは、紅拳には確認のしようがなかった。


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