鬼 鴉【総集編】
「貴女なら……、勝てそうですか?」
紅拳は興味深げに、闘華に尋ねる。
「あまり考えた事はありませんが、……勝てそうに無いですね」
闘華は質問の真意を掴めずにいたが、紅拳の問いに答えた。
「その男の名は?」
さらに紅拳は質問する。
「……闘兵衛」
闘華は一瞬悩んだが、意を決して呟いた。
(あの男か……)
紅拳は右手で左腕を押さえ、嬉しそうに微笑む。
左腕に負った痛みは、闘いを彷彿させる。
「……?」
闘華は、紅拳の喜ぶ姿が理解出来ずに眉を寄せるのだった。