鬼 鴉【総集編】
「……随分と、嬉しそうですね?」
「そう見えますか……?我々拳法家は強者と闘える事こそが、唯一の楽しみですからね」
飄々と答える紅拳は、満足げに闘華の質問に微笑み掛ける。
「……鬼鴉に参加して、初めて興奮しましたよ」
紅拳は日本での闘いを思い出しながら、熱く説明した。
「?」
紅拳の考え方に理解に苦しむ闘華は、ただ首を傾げる。
「貴女ほどの使い手が敵わないと言うのだから、……もう一度、闘ってみたいものです」
満面の笑みを浮かべそう言うと、紅拳は扉に向かい歩き出していた。